一般に言われる四大流派とは、松濤館流、剛柔流、糸東流、和道流であることはよく知られている。首里系統というのは、この四大流派ではどれかというと、松濤館流がそれである。和道流は松濤館流の分派だから首里系統に入るだろう。ただ、日本武道(揚心流柔術)の流れを引くとも言われているので、純粋の首里系統とは言い難い。
糸東流も、糸洲安恒、東恩納寛量の流れを汲むということなので、一部は首里系統と言えるだろうが、東恩納寛量の流れを引くところは那覇系統(実際は剛柔系統、後述)で、これも首里系統と呼べるのは半分だけである。
ここで、四大流派のうち、剛柔流(那覇系統)を除く三大流派は部分的には首里系統の流れを汲んではいいるが、純粋に首里系統と呼べるのは松濤館流である。
本土の四大流派に対して沖縄では空手は三系統と考えられている。首里系統、剛柔系統、上地系統がそれがそれである。言い換えれば三大流派と言うことである。
首里系統が最も古く、その多くはショウリン流と呼ばれる。ショウリン流の文字は系統により異なるが、もともとは宛字だったようで、系統を示す名称としては、文字ではなくショウリンと言う発音が大事だったようである。多く当てられている文字は、少林流、小林流、松林流などであろうか。本土ではあまり普及しておらず、むしろ世界に普及している。
剛柔流は東恩納寛量、宮城長順と続く系統で、中国福建省の南派少林拳の一系統のようだ。剛柔流唐手は商業学校の体育教科として宮城長順が創始した唐手であった。そしてこの流派は本土、世界と共通である。
上地流は上地完文により伝えられた中国福建省の南派少林拳の一系統で剛柔流と同系統のように見える。