次の写真を見て頂こう。このようなものを持ち出したのは、時間が過ぎるのは早いものだと言う意味である。
これを書いているのが平成25年6月なので、この写真は20年前、すなわち平成5年の写真となる。写真の人物は私以外は既にこの世にはいらっしゃらない先生方だ。
月日の経つのは早いものだと言う感を深くする。
中央の方は、「世界は一家、人類は皆兄弟」のテレビコマーシャルで一世を風靡した、言わずと知れた全日本空手道連盟 初代会長「笹川良一」先生である。
笹川先生の向かって右隣は宮城長順先生の後を継いだ剛柔流空手道協会の宮里栄一先生、その隣は前致道会々長 佐々木武先生門下の越山先生、向かって左隣は遠山寛賢先生門下の泊親会々長 伊藤幹之先生で、いずれも故人である。
伊藤先生の隣が私で、結局、長生きしたと言うことだ。これは、平成5年に全空連理事を退任した時、蓮見圭一先生(前全空連副会長)のお心遣いで功労賞を頂いた時の記念写真である。
長生きと言えば
最近は聞かないが、昔はよく次のようなことが雑誌にも書かれ空手人たちの間でも語られた。
「実力の本部、理論の摩文仁、長生きの船越」
実力の本部とは言わすと知れた唐手家として首里手を追い求めた実力ナンバーワンと言われた拳豪本部朝基先生。理論の摩文仁とは70種以上の型を伝える糸東流の開祖摩文仁賢和先生、長生きの船越とは、先生ご自身は否定し続けたが門下生たちが松濤館流を名乗った船越義珍先生である。
言われている言葉は疑点が多く正しいとは思わないが、例えが面白いので人口に膾炙(カイシャ)したらしい。例えば本土では大正年間から始まり、歴史も古く本土空手界を席巻している松濤館流を揶揄するような面があるからだろう。疑点といえば型を沢山知っていれば理論家なのだろうか、三流ボクサーをマットに沈めれば実力ナンバーワンかなど、いろいろとなくもない。